イケメンとワタシ
1回生のときのサークル活動で、それぞれのキャッチコピーを考えるグループワークがあった。
自分で言うのもなんだが私は付き合いが浅い人から、コミュ力が高く友達が多く悩みがない人に見られることが多い。
案の定そのときも明るくてムードメーカーだという分析をされてしまった。
嘘をついているようで申し訳なく、勇気を振り絞って言った。
「あの、私結構卑屈ですよ」
すると間髪入れずに、明らかにひねくれてそうな同い年の男の子に
「絶対俺の方が卑屈だわ!!」
と言われた。
一目で分からない卑屈は、もっとねじれていると思う。
昨日、バイト先に美男美女カップルが来た。
それはそれは美しく、友達によるとインスタグラマーのカップルらしい。
私のバイト先はデパ地下でまぁまぁ忙しく、バタバタしている。
そんな中、気にしないでおこうと思うのに、どうしても気になって男の方をチラ見してしまった。
ほんの一瞬だった。
なんということだろう。
不運なことに、その瞬間男と目が合ってしまったのだ。
通常なら、「あぁかっこいいな」「彼女うらやましいな」と思うだろうか。
ひねくれた人なら、「イケメンはけぇれ!」「女を顔で判断する奴め」と思うかもしれない。
私の場合、
「しまった!イケメンだから見ていると思われた!
不覚にもこの人の、自分が美しい認識に加担してしまった!!」
と思ったのである。誰がどう考えてもイケメンだからチラ見した。
にも関わらず、イケメンと認めずに、悪魔で「自分をイケメンだと思っている男」として認識しようとしているところが姑息だ。
そしてイケメンに興味がないと自分に嘘をつくスタンスも惨めだ。
こんなどうしようもない自分がいつか美男美女と共に働く可能性を考えるとぞっとする。
一人で色んなことを考えてしまい仕事に集中できるはずがない。
それまでに悟りを開き、美醜にふりまわされない人間になりたい。
美しい人とも卑屈にならず、対等に話せるようになりたい!
そう、未来の私のキャッチコピーは、「顔がいい奴だいたい友達」