ゆるゆると

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シェアハウスに彼女を週3で泊めるハウスメイトの話 アイルランド留学

 

留学が3ヶ月めに差し掛かる頃、私はホストファミリーの家からシェアハウスに引っ越しました。

 

新しい家はとても綺麗で、ラトビア出身の若いオーナー夫婦の他に1人大学院生の中国人男性が住んでいるとのこと。

 

オーナー夫婦は180センチ越えの高身長夫婦。

 

旦那さんはがたいが良く筋肉質の太い腕と大きなお腹とスキンヘッドに目つきが悪く、はじめは強かったのですが、めちゃくちゃ優しい。

 

150センチの私が高いキャビネットにしまってある鍋を椅子の上に立って取っていたら、低いキャビネットに入れ替えてくれました…じーん

 

奥さんはスレンダーで可愛くて筋肉質で最高!おしゃべりが好きで笑顔が素敵です。

 

学校に近くて、リビング、キッチン、バスルームの隅々まで綺麗、しかも掃除当番やゴミ出しは一切なし!(キッチンとバスルームを使った後に掃除するだけ)

 

絶対ここに住みたい!内見に行った時入ってすぐそう思いました。

 

聞いてみると内見は私が最初だったらしく、私がデポジットを払えば他の子の内見はキャンセルしてくれるらしい。

 

早速次の日にお金を払って鍵と誓約書を受け取り、手続き完了!

 

※詐欺に注意

アイルランドの住居の需要がばか高い。家を探す人は十数件のオーナーに連絡することは普通だ。そのため、鍵は引っ越しの日に渡すと言ってデポジットだけ受け取り、その後連絡を絶つ詐欺オーナーがうようよ存在する。わたしも先に金を振り込めというオーナーに会ったことがある。家探しに疲れ、信じようとした弱い心を友達が全力で止めてくれました。危ない危ない。みなさんも気をつけて。

 

オーナー達も柔軟で心優しく居心地が良かったです。

 

住んで2ヶ月たっても洗濯機を使いこなせなかった私に何度も教えてくれました…

 

ハウスメイトも綺麗好きの勤勉な青年だったのですが、1つ問題が。

 

そう、題名にもあるように中国人の彼女を週3で泊まらせるのです。

 

 

彼女も綺麗好きで優しくて気さくで、2人とも部屋でも静かです。

 

はじめのうちは何も思わなかったのですが、私は心が狭く頭が硬い人間です。(サイテー!)

 

日本の彼氏に会えない私からすれば、同じ家に2カップルいることが煩わしくて仕方がありません。

 

朝、遅刻しそうな時にトイレに行くと彼女が使っています。

 

1人さみしくシリアルを食べようとダイニングに行くと美味しそうな朝ごはんが2つのプレートに並んでいます。

 

今日はあいつ来ないな、と思っていると夜に2人の足音が玄関から入ってくるのが分かります。

 

ダイニングで2人が仲良く話しているとき私は居心地が悪いので部屋にこもります。するとオーナーが降りてきて彼女と楽しそうに会話しています。

 

自分がコミュ症なのが居心地の悪さに加担していてますます肩が狭い!!

 

どうして家賃を払っていない彼女が楽しく過ごしているのに、家賃を払っている私が過ごしにくいんだ。

 

こんなのおかしい!

 

金を払え!

 

我慢の限界に達し、人に自分の意見を言うことがぬるい牛乳くらい苦手だった私が、

 

あの自分の意見を言うときなぜだか涙が出てきちゃう小心者の、私が、

 

とうとう思いの丈をぶつけることを決意しました。

 

そう、この3ヶ月、自分の意見を言うことは相手を否定することじゃないと学んだじゃないか。

 

年齢も国籍も違う人たちの中で、学んできたじゃないか!!

 

そう自分を鼓舞しながら、まずは友達に相談してみました。

 

はい、自分が間違っていないかどうか客観的に知ることは大切ですよね?

 

怖気付いたわけでは勿論ないです、はい。

 

日本人と韓国人の友達数名に相談すると、みんなそれはおかしい、オーナーに言うべきだよ!

 

と応援してくれました。

 

そんな中、ある日私の友達A子がトラブルに遭いました。

 

A子はホストファミリーが旅行中にゴミ出しを頼まれ、彼女がゴミを出そうと玄関に出た瞬間、風さんがオートロックのドアを閉め、閉め出されてしまったのです。

 

不幸中の幸いA子は携帯を持っていたので私に泊めてくれるよう頼んできました。

 

勿論いいよ!

 

そう、私には確信がありました。オーナーは快諾するはずだ。

 

なぜならハウスメイトは今までめちゃくちゃ彼女を泊めてるから。

 

そして私が帰ってきた奥さんオーナーにお願いすると、彼女は言いました。

 

「今日だけ?」

 

あれ?私が思っていた返事と違うぞ。

 

「あら大変ね!もちろんいいわよ。」

 

って言ってくれると思ってたのに。

 

もや

 

あれ?なんでハウスメイトはいいの?

 

もやもやもや〜

 

そして次の日、

 

旦那オーナーに聞きました。

 

「基本的に、私はこの前みたいに夜に友達を泊まらせてもいいの?それともダメ?」

 

そう、ここでダメと言ったら、不公平だ!中国人カップルについても禁止しろ!というつもりでした。

 

彼は少し考え、言いました。

 

「あぁ、いいよ。大丈夫。」

 

あ、いいんかい。なんでちょっと悩んでん。私の作戦失敗。

 

こうなったら中国人の彼女と同じタイミングで私も友達を泊めまくって朝の洗面所を大渋滞にするくらいしか、策がありません。

 

しかし友達を自分のベッドに頻繁に寝てもらうのも好きではないので、イライラするのも疲れたので、タイミングを見計らってオーナーに言うことにしました。

 

その日の夕方リビングで勉強していた私は隣でアイロン掛けしている奥さんオーナーを見ながら

 

言うなら今だ!

 

と思いました。

 

私は思ったよりめちゃくちゃ優しく話し始めました。(気が弱い)

 

「今話してもいい?ハウスメイトと彼女のことなんだけど」

 

多分泣きそうな顔をしていたのでしょう。

 

優しく笑って、アイロンを片付け、ソファに座ってこう言いました。

 

「オーケー、落ち着いて。もし私が答えることが聞き取れなかったら何回も聞いてね。」

 

緊張に加えその優しさにますます泣きそうである。

 

オーナーによると、

・彼らはとても静か、綺麗好き

・彼女が泊まる時は毎回許可を得ている

・彼女、彼氏、家族を泊めるのはノーマル

 

つまり、何も文句がないそうです。

 

私の国では起こりえないから、おかしい!

大学生のカップルの不純異性交遊だ!

帰れ!

 

 など思って抗議したのですが、それぞれハウスメイトを尊重するのは普通、という考え方の元、彼らはとても理解のあるオーナーだと思いました。

 

と同時に若いカップルを偏見の目で見ていたことを恥ずかしく思いました。

 

彼らは愛し合い協力して生きているし、こんなことに文句をつけているのは日本固有の価値観でもあるのかな?と思いました。

 

今まで散々文句を言っていましたが、これからは尊重しあい、私も友達を気兼ねなく誘い、シェアハウス生活を楽しもうと思います。

 

しかし最後にひっかかるのは、奥さんオーナーが

 

「彼女は綺麗好きだし、いい子だし、英語も上手。私はあの子と話すのが楽しい。」

 

と言っていたことです。文字通り私は英語が下手で、オーナーは内気な私と話すのが楽しくないんだなぁと思いました。

 

私は内気で傷つきやすくて心が狭くて、と嫌いになりそうですが、

 

自力で試行錯誤しながら綺麗な家を見つけたこと、自分のために外国人のオーナーに抗議をしたこと、褒めてあげたいです。

 

頑張ったね、私。

 

いつか泣きそうにならずに落ち着いて優しく自分の意見を言えるようになれたらいいね。

 

これからも英語の勉強頑張ります。